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イワテバイクライフ 2016年12月後半


2016年12月31日(土)
けさも、ほんの僅かな積雪。温厚な晴天のもと、薄化粧はあっさり落ちて、からり乾いた大晦日。最高気温6度7分(盛岡)。



  雨に打たれた気がする。
  雪に閉された気もする。

 (けれど、振り向けば)

  あの黒雲は青空に移ろい、
  あの雪原は草原へ変わり、
  旅の終りの風が吹く。

@岩手山麓

2016年12月30日(金)
望外の青空があった。日中の陽射しは眩しかった。雪をとかす力があった。早春の幻を見た。最高気温1度7分(盛岡)



  あと一歩なのだ。
  明日の私の背中に
  いつも、あと、ほんの少しなのだ。

  けれど、
  そこから先は決まっていて、
  明日は、冷たく笑い、
  今日の手を振りほどく。 

  「悪いな、
  俺は、後戻りが出来ない様に
  出来ているんだ」

  置き去りにされた私は、
  のろのろと年の境界線を
  一人越えていく。
@盛岡市近郊

2016年12月29日(木)
完璧なモノクローム。雪は砂糖をまぶした様で、それでも足りず、大小の雪が舞った。最高気温3度2分(盛岡)



  行けるかどうか?
  そんなことじゃないんだな。

  気が付けば
  そこに立っている。

  そこまでの記憶が
  真っ白になっている。

  冷えた大気を
  燃えたぎる息に変えて、
  立っている。

  (そういうことなんだな)
@盛岡市

2016年12月28日(水)
皮膜の様な雪化粧で朝を迎えた。青空も広がったが昼前後は、かなりの冬雲が残存。夕方になって澄んだ空と透明な斜光。最高気温1度1分(盛岡)



  裏山程度の場所を
  エベレスト並みに仰いだり。
  散歩程度の行程を、
  冒険旅行のように謳ったり。
  その辺の御隠居を
  高僧の如くに崇め奉ったり。

  そうでもしなけりゃ、
  回らないお話もあるんだね。

  さあさあ、ほらほら、
  今日も息を合わせて
  立派に見せておくれ。
@岩手山麓

2016年12月27日(火)
午前中は小雨に濡れた街も、午後には次第に乾いて、空はかすかに明るくなり、夜を迎える頃には晴れ間がのぞいた。最高気温3度4分(盛岡)。



  何かを綴ってみれば
  そんな気がしてくる。

  何か声にしてみれば
  答えの様にも思える。

  それで明日へ向かえるのなら、
  地に刻めばいい。
  雲に語ればいい。
  風に叫ぶがいい。
@岩手山麓

2016年12月26日(月)
朝方は澄んだ青空。鮮明な光を浴びる大地に春が匂った。昼ごろには薄っすら雲が広がったが、夕方まで穏やかだった。最高気温3度4分(盛岡)。



  とてつもなく
  広く大きな風景はいらない。

  ひとつひとつ
  今日の眺めを
  収穫した先に
  ささやかな居場所が
  待っていればいい。
@岩手山麓

2016年12月25日(日)
まあ、朝から青空はあった気がするが、方角によっては冬雲の乱舞もあった。雪が降らなかっただけで、もう充分なのだ。最高気温5度3分(盛岡)。



  ひとつの旅を終えたら、
  後に続く旅人に
  あれこれ口出しは慎もうと思う。

  躓くから強くなる。
  回り道があるから、発見がある。
  驚きの連続だから、先を求める。

  (泣いて笑えば、それでいい
@岩手県北部

2016年12月24日(土)
ゆっくり青空が広がった。最高気温の2度6分(盛岡)は夕べのことで、日中は1度前後の冷え込みだった。ほぼ雪の無いクリスマスイブ。



  人それぞれの違い?

  それはね、たぶんね、
  思い込みに過ぎない。
  (そんな気がして来た)

  同じ空を仰ぎ
  同じ笑顔を浮べ、
  同じ涙を流しながら、
  拠り所を異にするというだけで、
  果てし無くすれ違ってみせるんだね。
@盛岡市

2016年12月23日(金)
無表情な曇り空だったが、彼方にかすかな光が見えたり、いきなり頭上に青空が出現したり、あるいは水滴が道を濡らしたり。最高気温は早朝の13度(盛岡)。



  昨日は、
  どんどん遠くなる。
  もう追かけて来ることもない。

  まして、
  私の昨日など、
  この地上の物語とは無縁だから、
  みんな、ほら、
  今日の私に優しく微笑んで来る。

  そうなることを、
  遠い昨日は知っていた。
@岩手山麓

2016年12月22日(木)
今朝も雲に覆われたまま。傘に手が伸びる一日。明確な雨は夕暮れから。最高気温6度3分(盛岡)。



  わたくしが、
  此処で、
  こうして、
  時を受け止め、
  風や人を眺め
  何かに気付きながら、
  じっと黙っているだけで、
  誰かを
  たまらなく不安にさせることが
  あるのだろうか?
@岩手山麓

2016年12月21日(水)
冬至。もやもや霧の朝。曖昧な空は昼頃まで続き、風景がしゃきっとしたのは、すっかり陽も傾いた頃。最高気温9度4分(盛岡)。



  自分の思いなど、
  殊更に述べ立てる必要はない。

  しっかり、
  すっきり、
  くっきり
  生きていればね、
  ある日、誰かが
  代わりに歌い出す。

  (その方が、よほど届く)
@岩手山麓

2016年12月20日(火)
小雨で始まった。予報では晴天の午後だったが、青空になり切れないまま日は暮れた。最高気温7度5分(盛岡)。



  人は、
  いつか、
  自分の肖像画に向き合う。

  俯くか、微笑むか、
  今日の筆しだいだ。
@北東北

2016年12月19日(月)
予報通りの快晴。雲の介在は稀で、大地も精神も弛緩するばかり。ただ、春霞とは言い難い大気汚染の不透明。最高気温10度8分(盛岡)。



  どうしようもなく
  はっきりしていることを
  どこまでも
  曖昧にしてみせるのが
  分別というものかい?

  

@岩手山麓

2016年12月18日(日)
愛想の無い曇天で始まったが、空気は妙に柔らかく、日陰の雪もみるみる消えた。やがて希望めいた青空が途切れ途切れに光をもたらした。最高気温9度6分(盛岡)。



  もう、
  どれほどになる?
  などと呟いては
  いけない。

  心の旅の長さなど、
  街は気にも留めず、
  河は振り向きもせず
  見知らぬ日々へ
  移ろうばかりだ。
@盛岡市(北上川)

2016年12月17日(土)
晴れていた気がする。陽射しはあった気もする。ただ、周辺の山には、もやもやした雲がかかり、岩手山の印象は皆無。路地裏はアイスバーン。最高気温2度8分(盛岡)。



  ふと、
  立ち止まる。
  意味も無く、
  縁も無い場所に
  自分を置く。

  そのように
  私は私を置去りにして
  違うあしたへ走り出す。
@岩手山麓 

2016年12月16日(金)
朝の一面は、また新しい雪を纏っていた。日中は小雪舞う曇天だったが、夕刻を迎える頃、かすかに青空がのぞいた。最高気温はマイナス1度1分の真冬日(盛岡)。



  群の核心で
  ボロを出さず
  明日の行方を支配する役回りなら、
  深い沼の様に佇むことだ。
  投げ込まれる石にも、
  舞い落ちる枯葉にも
  波紋ひとつ立てず、
  今日の空さえ映さず、
  ひとつの謎となって、
  あり続けるがいい。

  (そんな人形を何体も見て来た)

@岩手山麓

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